立ち姿勢
五観の法の立ち姿勢は、今まで説明してきました、観世音マーチの立ち姿勢と全く同じです。
観世音マーチの場合は、歩き回る事もあるから、その時はさすがに脚を揃えていただきたいですが、五観の法の時は、肩幅に軽く広げたままが理想です。細かいことを言えば、足の指先は、少し内側に向けてください。出来たらその足の指で大地をわしづかみにしてほしいです。
自然に、足裏の前方3分の2程に重心がくるはずです。
かかとが軽く浮くか浮かないかがいい感じです。
この立ち姿勢は武道的にはナイファンチもしくはナイハンチと言いますが、気功でもこの立ち姿勢が基本です。
観世音マーチの時と同じように、かんぜーおん。なーむーぶつ。と声に出して唱えますが、今度はマーチではありません。マーチの時との違いは、リズムです。
頭にポクポクポクポクとつけてから唱える読み方が、観世音マーチなんですが、
こちらの五観の法では、ポクポクポクポクがありません。
じつは、
お経を読む時のリズムにはおよそ二通りのテンポがあります。
鳴らし物と言われる仏具の木魚や木柾を叩いてリズムを合わせて読む場合と、そういった鳴らし物を使わずに読む方法です。大勢で読む場合は、木魚に合わせて読まないとバラバラになってしまいます。
自分だけで、棒読みの感じで読むのには木魚は必要ありません。
説明だけではわかりにくいので、いつか音声で説明します。
リズムは、異なりますが、観世音には違いありません。
どんな時でもかんぜーおん。変わらずここでもかんぜーおん。なーむーぶつ。
これさえ唱えていれば、ここがすなわち極楽浄土に早変わり。スイッチオンになること請け合います。そうしておいて、
気功体操の動きが始まりますから順を追って説明します。
1)延命十句観音経の木魚無しの棒読みパターンで始めます。
腰を納めておへそを縦にする。脚は肩幅でナイハンチ。
2)棒読みしながら
両手を前で組む。右手と左手を包むようにあわせる。これを叉手(しゃしゅ)とい言います。
3)棒読みしながら
ゆっくり両腕を前に持っていきます。
大木に抱きつく様にします。
站樁功(たんとうこう)とか立禅とかいうポーズです。
大木の生命力を感じながらの観世音、南無仏。
4)棒読みしながら
ペースはそれこそ文字通りのマイペースでお願いします。
ゆっくり、ゆっくりがいいですよ。
大木を抱えていた両手の手のひらを大地に向けてください。
いよいよ大地の気を感じていただきます。
5)棒読みしながら
大地の気を感じながらその手をグゥーっと下に伸ばしていきます。
手のひらと大地の押しくらまんじゅうです。
6)棒読みしながら
次に両腕をま横まで持っていき、そこで左右に伸ばしてください。
左右から引っ張られてる感覚です。
7)棒読みしながら
頭上に両腕、両手を掲げます。
手のひらを天に向けたら天の気をいっぱい受けましょう。
地の気、天の気、を大事に頭上で玉にします。
8)棒読みしながら
白隠さんが白幽子に語らせている、軟酥をイメージしてください。
バターか、あるいはとろけるチーズの丸いボール状のものをイメージします。
非常に香りの良い乳製品を酥というらしいです。
これが頭の上に乗せるとじわじわ溶け出すのです。
9)棒読みしながら
溶けて身体に染み込んで行きます。大変気持ちがいいなぁと思ってください。
10)棒読みしながら
身体の中を通りねけた酥なる物質は今度は辺り一面に流れ出て、この世界全体を包み込んでしまいます。酥の海に膝から股関節、胸、首、頭と浸されていきます。ちなみに溺れることはありません。
都合良く出来てます。^_^
11)棒読みしながら
ふたたびこの酥なる物質をかき集めて、
大きなボールを作ります。大きくしたり、小さくしたり、
横に振ったり、ハンドルの様に動かしたり、酥なる物質、これこそが気の実体です。練りに練ったこの尊い気を丹と言います。仁丹製薬の名前の由来の丹です。
12)棒読みしながら
さぁ!この練りに練った丹は練丹となってパワーアップしてしていきます。この練丹を大事に大事におへその下約1.5寸(約3センチ)の気海(きかい)というツボに納めていきます。下腹からじわっ〜っと充実感がみなぎってくるはずです。
この時のポーズは両腕、両手を叉手にしています。すなわちスタートに戻ったわけです。
叉手しているあたりは、臍下丹田とも、気海丹田とも呼ばれています。
丹田はヨガではチャクラと呼ばれるところです。
以上が、五観の法の前編です。
最後の最後に締めくくりのクライマックスが待っていますが、まずはここまでので動きをマスターして欲しく思います。
今回、はるかぜ鍼灸接骨院の柔道整復師のKさんにモデルになってもらいました。
古武道や総合格闘技をやっているので型が決まってますね。Kさんありがとう^_^。
今回はこれで終わりです。
はるかぜ鍼灸接骨院↓